diamondwaterの観劇日記

舞台、映画、展覧会、各種イベントに参加した記録、感想などをまとめています。

お仕事映画としてのシン・ゴジラ

シンゴジラ見ました。特撮見に行ったはずが、大人のお仕事映画だった。あくまで虚構なんだけど、要所要所細かいところが妙にリアルで。

例えば私は霞が関の中央官公庁の官僚たちと一緒に仕事をする経験があるのだけど、彼らの生態が「活写w」されてて前半の会議につぐ会議のシーンがえらいツボでした。特に各種会議室とかほんとあんな感じなの!しかしあくまで虚構なのでツッコミどころも多く、例えば登場人物たちの肩書き。彼ら出世街道を外れた変わり者設定の割に課長職に就いている人が多くて、官僚で課長って一般民間企業の課長よりよっぽど職位としては重いことを考えるとやっぱりエリートなんですよ。みんなあのセリフに騙されちゃいかんwなーんて考えたりしていたところに、シンゴジラを語る会に参加したのだけど、就いている業種によって他にも色々なツッコミどころがあることを知った。例えば軍事評論家の人は「海上自衛隊が活躍しなさすぎる」と専門的に語っていたし、製薬会社の人は「あの状態で経口注入は無理です」てしみじみ言ってたし、メーカーの人はあのストローみたいなコンクリポンプ車(正式名称分からん)のポンプ部分が伸びきるには20分はかかるからあんな手早く注入することはできないって言ってたし。みんな専門的に見過ぎーーーっっw

でも私も含めてアレコレ突っ込んじゃうのはそれだけリアルだからですよ。まるでドキュメンタリーのようなつくりになってるよね、この映画(登場人物たちがゴジラのこと知らなかったとき「どうして日本人なのに知らないの!?」と素で驚いたくらいには途中まで現実のように感じて見ていたよ、私は)。でもその妙なリアルさと究極の虚構であるゴジラが並立しているのが、この映画の面白いところであり特撮ファン以外も見るようなヒット映画になった要因なんだろうなと思うわけです。庵野監督、まじでナイス。