diamondwaterの観劇日記

舞台、映画、展覧会、各種イベントに参加した記録、感想などをまとめています。

小説界の中島みゆき(角田光代)

角田光代の『愛がなんだ』を読み終わりました。

空中庭園』で衝撃を受けて以来、「角田光代は侮れない」と思ってはいたけれど。『エコノミカル・パレス』、『愛がなんだ』と立て続けに「人生って暗いのが基本だよな」としみじみ思わされる作品を読み、やっぱり不幸は物語として最高の素材、と思いました。居場所と金と愛は、そう簡単に手に入らない。それらを手に入れようともがく不幸、みたいなものは創作物全般の基本形だと思うんですが、よくもまあ、それをここまで執念深く書けるものだな、と。それも、別にそれが不幸として描かれているわけでもなく、淡々と、気付いたらこう(不幸に)なっていて、それを自力で脱することもできないし、それどころか別に脱するつもりもありません、という主人公達の心情は怖くなるほど。ついつい角田光代本人の精神状態を心配してしまいました。創作としてコレが書ける才能って、一般人の私からすると「凄い」としか言いようがございません。「ぁ、やめて、それは見ない振りをするのがお約束!」という心模様を特に露悪的なわけでもなく書けるってどういうこと?

このゾッとする感じは、林真理子でも山本文緒でも味わえないので、やっぱり私は角田光代を怖いもの見たさで読み続けてしまうのであります。

ところで『愛がなんだ』は、中島みゆきの『悪女』の世界に通じるものがありますね。嗚呼、この、うっとりするような不幸感覚…。たまらない。

 

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