diamondwaterの観劇日記

舞台、映画、展覧会、各種イベントに参加した記録、感想などをまとめています。

2012年4月 観劇日記

4月はほとんど観劇・鑑賞活動をしておりません。
どっかんどっかん観る→ぱたっと休む→どっかんどっかん観る、というのを繰り返している気がする…。
※「どっかんどっかん」と言ってもそんなにたくさん観てるわけではありません。あくまで対自分比です。

4月18日 3D映画「ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」(ヒューマントラスト有楽町)
4月19日 大友克洋GENGA展(3331 Arts Chiyoda)
4月28日 花組全国ツアー「長い春の果てに/カノン」(市川文化会館)初日
4月28日 ウィーン国立バレエ団「こうもり」(東京文化会館

以下、思ったことをつれづれ。


実は私、3D映画はこれまで「AVATAR」しか見たことがありませんでした。というわけで今回の「ピナ」が2度目の3D映画だったわけですが。「AVATAR」のときも思ったけど、3Dで見ると映画を見るという行為が“体験”になりますね。普通の映画を見るときは物語を鑑賞するだけで、物語を“体験”したと思えたことがない。でも3D映画の場合、その映像空間に包まれて物語を“体験”しているように感じるんですよ。因みにLIVEや舞台は、私のなかで“体験”に入ります。生の人間が目の前で動いていて、自分も拍手したり歓声をあげることで参加している感覚があるためだと思う(※)。LIVEや舞台は観客がいなきゃ成立しないからでしょうか。その点、3Dって凄いわ。参加しているというよりはただ完成物を受け取っているだけで、見ているものもナマモノではなく映像なのに、“体験”したと感じさせるのだから。3D映画は映画館に見にいく価値がある、お部屋でDVDなんてつまんないと思わせるパワーがありますね。

※そういえば、マイケル・ジャクソンの映画「THIS IS IT」も“体験”したと感じたのだけど、それは「THIS IS IT」が映画ではなくLIVEに近かったからだと思う。観客はみんな拍手を入れたり歓声をあげたりしていたし。マイケル急逝直後のあの時期に、映画館で、知らない人たちと一体となって見たからこそ得られた“体験”でしたね。映画「ロッキー・ホラー・ショー」の上映時もそんな感じになるのかな?どっちも特殊ジャンルよね。

さて映画「ピナ・バウシュ」の内容ですが。舞台映像や新作ダンス映像の合間に団員のインタビュー(ピナに纏わる思い出)を挟みこみピナ・バウシュを回顧していく形式で、ナレーターは不在。淡々と場面が連なっていく映画でした。静かなのに激しく、ある意味支離滅裂なのに美しく、ほんと見応えがあった。舞台映像が凄いのはもちろん、劇場を飛び出して街中や森の中、様々な建築物のなかで踊られる新作ダンスが鋭角的に美しくて…凄かった…!語彙が貧困で恐縮です。うーん…言葉では言い表せない。綺麗だった。鋭かった。冴え冴えしてた。明るいのに凶悪、凶悪だけど優しいっていうか。ああああああ表現できない!でも映画のなかでピナの言葉として紹介されてたんだけど「言葉で表現できないものを、ダンスで表現している。それを感じてほしい」と。だから、もうこうやって感じたことを言葉で言い表そうってのがそもそも野暮なんだろうと思います。

大友克洋GENGA展は、絵がうますぎて、何だか生原稿を見たという感慨が逆に少ない展示会でした(爆)。サルヴァトーレ・ダリの絵を生で見たときとおんなじ感想。でも、例えば「AKIRA」の鉄雄が宇宙に飛び出して月の上に浮かぶシーンで、月の絵のうえに別の紙に描かれた鉄雄が切り抜かれて貼ってあったりとか、生原稿を見ないとどのように画面構成されているか分からない点というのもやっぱりあって、感動はしたよね。「童夢」の原画も凄かった。もちろん数十年前の原稿ですから全部手描きで、その線には一切迷いがなく、印刷された通りの原稿でね。もう〜〜〜〜ネームとか下描きも展示してくれよとウズウズしました。やはり肝の部分は秘密ってことなんでしょうか。もしくは昔のものすぎて捨てちゃったのか。そうそう、最後の展示スペースに来場者も自由に描き込める巨大記念ボードが設置してあったのだけど、たくさんの落書きのなかから有名漫画たちの書き込みを見つけ出すのが楽しかったです。個人的に、発見して一番興奮したのは高野文子氏の書き込み。あの大友克洋と、あの高野文子に繋がりがあるなんて…。鼻血でそう。もちろんその記念ボードには私も落書きしてきました。うへへ。

最後に、ウィーン国立バレエ団「こうもり」。黒、白、赤を基調にしたお洒落でシックなセットと衣装、小粋なストーリーで、夜にカップルでお洒落して観に行って帰りにワインを一杯引っ掛けて帰る、というシチュエーションがぴったりな演目でした。主演のオルガ・エシナの美貌が凄まじく…あれだけの美人が舞うのを観られるということだけでもお金を払う価値がある公演だったと思います。ただし、私はあんまり滾りませんでした。小粋でお洒落な大人の演目よりも、だだーんばばーんどどーんじゃーんっっって感じのド・ラ・マ・チッ・ク!!!な演目が好きなんですよ私。もしくは、痛っ!鋭っ!美っ!みたいな演目。すみません、語彙が貧困で(2度目)。でも午前中に花全ツを観てから駆けつけた公演なので、このぐらい軽妙な演目で逆に良かったかも。やっぱり1日2公演観るのは1つ1つの演目がよければよいほど疲労困憊しますよね。実は7月にもWを予定しているのですが…それも演目は星ダンセレとスリル・ミーという濃厚2本立てなんですけど…大丈夫かしら私。

Pina

Pina

AKIRA(1) (KCデラックス ヤングマガジン)

AKIRA(1) (KCデラックス ヤングマガジン)